映画『金糸雀(かなりや)は唄を忘れた』は、下記の日程にて初公開となります。
第8回伊参スタジオ映画祭 二日目
2008年11月23日(日)13:55~【解説】
映画『金糸雀は唄を忘れた』は、伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2007・短編の部大賞受賞作品を、同映画祭規定のもとに映画化したものです。
撮影は、主に同映画祭開催地である群馬県中之条町およびその周辺地域にて行い、またキャスティングの一部についても中之条町を中心にオーディションを実施し決定するなど、地域に密着した映画制作を進めてまいりました。
同時に、情報技術の発達を主にその背景とする近年の「作り手」と「観客」との関係性の変化を踏まえて、以下の点を制作における基本方針に据えました。
WEBサイトにおける脚本の改稿過程の公開、ブログにおける制作日誌の更新およびその他の企画を通じて、映画の製作過程そのものをひとつの作品として提示すること。そのために、狭い人脈に捉われず、製作過程におけるより多くの人たちとの「出会い」や「繋がり」を重視して映画をつくっていくこと。
こうした試みは必ずしも成功したとは言い難い結果に終わったというのが、映画をつくり終えての偽らざる感慨です。しかし、「自主制作映画をつくる」という行為がもはや珍しいものでも何でもなくなった現代において、「作り方」において一つのオルタナティブを提示しようとした試みは、それが成功であれ、失敗であれ、大きな意義を持つものと現在でも信じます。
映画『金糸雀は唄を忘れた』は、そんな僕の、僕らの努力の結晶なのです。
【あらすじ】
走る電車の車内。一組の男女が並んで座っている。ひとりは年老いた男・鴇田(ときた)。ひとりは若い女性・嫩(ふたば)。一見、何の接点もないように見えるふたりには、共通の目的地があった。それは、自らの手で、自分の人生を終える場所。

行きずりの彼らは、自殺の名所と呼ばれる「賓(まろうど)の滝」を目指していた。ふたりは上っ面の反発と理解を繰り返しながらも、約束の地を目指す。途中祭りに出会い、鴇田は嫩のために浴衣を何処からか持ち出す。月の下で浴衣に着替える嫩。見守る鴇田。

翌朝、ふたりは「賓の滝」の目前まで来ていた。ここに至り、鴇田の意外な行動でふたりは袂を分かつことになる。ひとりは死にゆく者。ひとりは生きゆく者として。

生死の公界でさまよう者たちの、凡庸で切実で滑稽で哀れな旅路の顛末。
All photo by KEISUKE TOU
【予告編】